【3月1日 CGTN Japanese】中国の国家重要科学技術インフラである総合的極端条件実験装置が26日、国の検証に合格しました。このことは、中国にとって極低温、超高圧、強磁場、超高速光子場など極端な条件における総合的実験能力を備える大規模科学の先進的な研究設備が確立されたことを意味します。

 同施設は極端な温度、圧力、磁場など様々な条件を実現して総合的に利用することができ、材料科学、物理学、化学などの分野の研究にこれまでにない実験の場を提供し、中国の物性科学とその関連分野の基礎研究と応用基礎研究の実力を大幅に高めると期待されています。

 同施設では第1期の実験施設が2022年に対外開放され、2023年にはすべての実験施設が開放されました。現在は常態運用されており、中国内外の多くの大学と科学研究機関が利用しています。研究者らは同施設を利用することにより、分数異常量子ホール効果(FQAH)やリュードベリ・モアレ励起子の観測、超電導量子計算の実現など、世界のトップレベルの基礎研究の成果と技術面の進展を実現しました。

 物質のさまざまな相を研究することは物理学研究の重要な分野です。米国、欧州、日本などの先進国はいずれも、極端条件分野の研究に大量の人力と物資を投入しています。中国科学院総合的極端条件実験装置は、国際的な技術協力と交流の重要な拠点となり、世界に向けて開放し、世界一流の科学者とチームを引きつけることで共同研究の展開につながると見られています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News