【2月24日 AFP】イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区での停戦合意に基づくパレスチナ人の釈放を延期したことについて、停戦を危険にさらす行為だとイスラム組織ハマスが非難したのを受け、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は23日、戦闘を再開する準備はできていると警告した。

先月19日の停戦発効以来、ハマスが拘束していたイスラエル側の人質は7回に分けて、22日までに生存者25人全員が解放された。停戦の第1段階は5週間で、3月初めに期限を迎える。

だがイスラエル側は、同日予定していた600人以上のパレスチナ人の釈放を延期。ネタニヤフ首相は23日早朝、ハマスが人質の引き渡しの際に行う「屈辱的な儀式」をやめるまで、釈放は延期すると述べた。

ハマス幹部のバッサム・ナイム氏はこれに対し、パレスチナ人解放の延期は「停戦合意全体を重大な危険にさらす」と批判した。

再び緊張が高まる中、イスラエルは23日、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸の武装勢力に対する軍事作戦の拡大を発表した。

同日の軍事式典でネタニヤフ氏は、交渉によって、「あるいは他の手段で、戦争の目的を達成する」と宣言。「われわれはいつでも激しい戦闘を再開する準備ができている」と語った。

ハマスによる人質解放ではしばしば、覆面をした戦闘員に人質が囲まれ、コメントを強要される「儀式」が行われてきた。

ハマスが捕らえている人質と、イスラエルが拘束しているパレスチナ人の交換を支援してきた赤十字国際委員会はこれまで「すべての当事者」に対し、引き渡しは「尊厳とプライバシーを持って」行うよう訴えている。(c)AFP