【2月21日 AFP】米国のドナルド・トランプ大統領は20日、男子ゴルフのタイガー・ウッズ(米国)をはじめ、全米プロゴルフ協会(PGA)とLIVゴルフリーグの各責任者らと会談した。この動きは、ゴルフ界の統合に向けた大きな一歩となる可能性がある。

ホワイトハウスで行われたこの日の会合には、トランプ氏やPGAのジェイ・モナハン・コミッショナーのほか、米ツアー政策委員会の選手理事を務めるウッズとアダム・スコット(オーストラリア)、そしてLIVゴルフを後援するサウジアラビアの政府系基金パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)のヤセル・ルマイヤン総裁が出席した。

トランプ氏は詳細は明かさず、「興味深い議論があった」と述べた。

メジャー通算15勝を誇るウッズは、トランプ氏とともに黒人歴史月間のレセプションに登場。集まった人々から「タイガー、タイガー」と連呼を受けながら短いスピーチを行い、「あなたとここにいられて光栄です、大統領。そして皆さんといることも栄誉だ」と語った。

これに先立ちウッズは16日、ゴルフ界の統合に関して楽観的な見方を示し、「間もなく修復する思う。この競技を正しい方向に進めていく」とし、「もう何年も間違った方向に進んでいたが、ファンはトッププレーヤーのわれわれ全員が一緒にプレーすることを望んでおり、それを実現するつもりだ」と話していた。

LIVゴルフが2022年の創設時に米ツアーから多くの有名選手を引き抜くと、同ツアーはLIVゴルフ組を大会から除外して対抗。双方のトップ選手が直接対戦するのは、現在メジャー大会のみとなっている。

2023年には米ツアーとLIV側が事業統合に向けた枠組みを発表したものの、最終合意の期限から1年2か月が経過しても完全合意には至っておらず、ゴルフ界は分裂したままとなっている。

統合が成立すれば、PIFが米ツアーの営利団体「PGAツアーエンタープライズ」に15億ドル(約2250億円)を投資すると見られているが、この動きが米国の法律に違反する可能性があると米司法省の関係者が懸念を示している。

トランプ氏はそうした障害を緩和できるとみられるが、それはLIV組を米ツアーに復帰させることや、米ツアーにとどまった多くの選手たちが重要と考えている何らかの罰則など、緊要の課題を残すことになる。(c)AFP