【2月20日 AFP】エジプト観光・考古省は18日、古代エジプト第18王朝の王、トトメス2世の約3500年前の墓を発見したと発表した。古代エジプトの王墓が見つかったのは、ツタンカーメンの墓が発見された1922年以来約100年ぶり。

墓はエジプト南部ルクソールの墳墓群「王家の谷」の近くで発見された。

トトメス2世はツタンカーメンの先祖で、妻は異母姉のハトシェプスト女王。

ハトシェプスト女王の巨大な葬祭殿は、トトメス2世の墓が発見された場所から数キロ離れたルクソールのナイル川西岸に立っている。

予備調査によると、墓の中に入っていたものは古代に移動されたとされる。そのため、ツタンカーメンの墓のような象徴的なミイラや金箔(きんぱく)の装飾は残っていないが、考古省は今回の発見を「近年で最も重要な考古学的進展の一つ」と呼んだ。

墓はエジプトと英国の合同チームが発掘。2022年に墓の入口が発見されたが、当時はいずれかの王妃の墓に通じるものだと考えられていた。

しかし、チームはその後、埋葬品のアラバスター製のつぼの破片にハトシェプスト女王の名とともに、「亡き王」としてトトメス2世の名が刻まれていたことから、墓の主を特定したという。

考古省によると、墓からは副葬品も発見されている。

合同チームの責任者は、地域での作業を続け、墓に元々あったものを発見したいと述べた。(c)AFP