ハマスに「飢えさせられた」 元人質が解放後に証言
このニュースをシェア
【2月15日 AFP】イスラム組織ハマスに解放された元人質が14日、拘束中に飢えさせられ、拷問を受けていたと明らかにした。赤十字国際委員会(ICRC)は、今もパレスチナ自治区ガザ地区で拘束されている残りの人質の状態について懸念を表明した。
2月1日に解放されたイスラエル系米国人のキース・シーゲルさんはドナルド・トランプ米大統領に宛てたビデオメッセージで、「ガザにいた時、私は常に恐怖におびえて暮らしていた。命と身の安全に対する恐怖だ」と証言。
「テロリストたちに蹴られたり、唾を吐きかけられたりした。水も明かりも呼吸するための空気もない状態で拘束された」「私は飢えさせられ、肉体的にも精神的にも拷問を受けた」と訴えた。
解放された別の元人質、リリー・アルバグさんの母親シリー・アルバグさんは13日に公開されたイスラエルのヘブライ語日刊紙イディオト・アハロノトへのコメントで、リリーさんは何日も食べ物を与えられず、人質たちは「ロバの餌」を食べたこともあったと明らかにした。
ガザの衛生状態は「最低限」で、リリーさんは見張り役に、男性の人質が殴打され、虐待される動画も見せられていたという。
シリーさんはイスラエルの民放チャンネル12との別のインタビューで、「リリーは開口一番にこう言った。『私は地獄から抜け出した。私たちはあそこで地獄を経験したが、男性や兵士はもっとひどい目に遭っている』」と語った。
これに先立ち、イスラエルとハマスの身柄交換を支援するICRCは、今もガザで拘束されている人質の状況への懸念を表明した。
2月8日に行われた5回目の身柄交換で、ハマスはガザで人質を解放する際、見物に集まったパレスチナ人の群衆の前で、拘束していた見張り役に謝意を表すよう人質3人に強要した。
人質の衰弱した様子は家族と世界に衝撃を与えた。ICRCはハマスに対し、次の身柄交換では人質のプライバシーと尊厳にもっと配慮するよう求めた。
ハマスは15日、イスラエルとの停戦合意に基づく6回目の身柄交換の一環として、新たに3人の人質を解放する予定。(c)AFP