【12月10日 AFP】ハイチの首都ポルトープランスで先週末、ブードゥー教の信者を標的とした虐殺事件があり、約200人が殺害された。首相府は「野蛮で耐え難い残虐行為」だと非難した。

同国の市民団体「平和と発展委員会(CPD)」によると、虐殺は、ブードゥー教信者のせいで息子が病気になったと信じ込んだ有力ギャングのリーダーが、「呪いをかける能力があるとみなしたすべての高齢者とブードゥー教信者に残酷な罰を与える」ために主導した。

CPDと国連(UN)によれば、事件があったのは首都西部沿岸の貧困地区シテ・ソレイユ。国連筋によると、少なくとも184人が殺害され、うち127人が男女の高齢者だった。

AFPが電話取材した住民は、76歳の父親が犠牲になったとし、「暴漢たちは父の遺体に火をつけた。遺体を引き取れず、埋葬すらできない」と語った。

CPDによれば「ギャングのメンバーは、被害者を自宅で拘束し、リーダーの拠点に連行し、処刑する役」を担っていた。街中で切り刻まれ、焼かれた遺体も多く、「標的となった人々を逃がそうとしたバイクタクシーの運転手も処刑された」という。(c)AFP