【12⽉23⽇ Peopleʼs Daily】中国・江蘇省(Jiangsu)蘇州市(Suzhou)の陽澄湖では、10月25日午前10時に上海ガニが水揚げされた。ドローン1機が新鮮なカニを満載して飛び立ち、4分ほどで物流会社の順豊エクスプレス(SF Holding)の中継拠点に到着した。9月25日の漁解禁以来、延べ300機以上のドローンが上海ガニを輸送し、累計積載量は2700キロを超えた。

 今年に入ってから、ドローン配送はますます日常生活と結び付いてきた。順豊エクスプレス傘下の豊翼無人機の陳孝輝(Chen Xiaohui)政務総監は、「9月末時点で、弊社は523路線を開通しました。累計飛行回数は100万回を超え、520万件以上の貨物を輸送しました」と述べた。低空域の物流網を構築することで、配送時間は大幅に短縮された。例えば粤港澳大湾区(広東・香港・マカオグレーターベイエリア、Guangdong-Hong Kong-Macau Greater Bay Area)では、市内ならば平均2時間、他の市であれば約3時間で配送される。

「宅配便の革命」が進んでいるのは空だけではない。宅配便輸送会社の中通快遞(ZTO Express)は4月、40以上の都市で計100以上の拠点を結ぶ無人車運営システムを現場に投入した。北京郵政は5月、市内順義区(Shunyi)で無人車を使った郵便物運搬の試行を始めた。韻達快遞は6月の販促イベント期間に無人車を投入したところ、配送効率が3割以上向上した。

「宅配便の革命」が進んでいるのは屋外だけではない。ネット通販大手の京東集団(JD.com)傘下の京東物流のスマート倉庫センターに入ると、5G技術を投入したスマートピッキング・運搬ロボットが行き交っている。倉庫では他にもスマート計量、デジタル「サイズ測定」、6面スキャンなどの技術が駆使されている。倉庫関係者によると、この倉庫では従来の人手作業の数倍程度に相当する、1時間に600件以上の商品を扱うことができる。同様の倉庫はスマート産業パーク10か所以上に設けられたという。

 無人技術はなぜ中国の宅配便分野に根を下ろして急速に成長できるのか。京東物流の関係者は、ネット通販の爆発的成長と、宅配サービスの時間短縮への顧客の要求が強まっているからと説明した。そのため、処理能力が高い大型無人倉庫を建設することが不可欠な状況だ。同社は2014年以降、中国各地で40か所以上のスマート物流パークを建設し、物流コストを大幅に削減し、配送時間を短縮したという。

 阿里巴巴集団(アリババグループ、Alibaba Group)傘下の物流会社の菜鳥(Cainiao)の自動運転業務センターの責任者である楊光(Yang Guang)氏は、「今後3~5年で、業界は20万台以上の無人配送車を配備し、技術の進歩とコスト削減はさらに進む見込みです」と述べた。

 国家郵政局の関係者によると、無人技術への需要が日増しに増加し、企業が積極的に配備し、一般大衆の受け入れ度が向上していることに伴って、無人搬送は自律移動やスマート制御、スマート障害物回避などの面で大きな進展を遂げている。市場の潜在力がさらに解き放たれつつあるという。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News