【12⽉20⽇ Peopleʼs Daily】中国自動車工業協会によると、1~9月に中国国内市場では中国ブランドの乗用車の販売台数が前年同期比20.5%増の1191万9000台で、市場占有率は63.8%だった。また、80%以上が電気自動車(EV)などの新エネルギー車だった。

 研究開発への投資を増やし続けていることが、中国ブランド自動車の急速な台頭の重要な要因とみられている。例えば、中国での自動車販売台数トップの比亜迪(BYD)の2024年上半期の研究開発費は前年同期比42%増の202億元(約4180億円)で過去最高を更新し、同期の純利益を66億元(約1370億円)上回った。

 理想汽車(Li Auto)の同期の研究開発費は前年同期比42%増で60億元(約1240億円)を超えた。上海蔚来汽車(NIO)の研究開発費も60億元を超えた。両社はいずれも、同規模の研究開発投資を維持する考えだ。

 注目すべきは、上半期に中国ブランドの主要自動車会社の多くの研究開発費が純利益を上回ったことだ。BYDの場合、2011年から現在までの14年間のうちの13年で、研究開発投資が純利益を上回った。研究開発費が同じ時期の純利益の数倍に達した年もある。

 BYDは世界で累計4万8000件以上の特許を出願し、うち3万件以上が認められた。上半期には、賽力斯(Seres)の特許関連の出願も急増して1812件に達した。

 中国の自動車メーカーは技術革新により、独自の強みを持つようになった。BYDのブレードバッテリー技術は高い安全性や高密度エネルギー、長寿命により、新エネルギー自動車分野の重要な革新になった。賽力斯のスーパーレンジ拡張システムは熱効率が45%に達し、燃料1リットル当たりで3.65キロワット時を得られる。賽力斯のこのシステムは第1四半期に搭載台数が同分野で業界第1位を維持し、同社は12社と提携することになった。

 米シンクタンクの情報技術イノベーション財団(Information Technology and Innovation FoundationITIF)によると、中国のEV会社が車のモデルを更新するまでの期間は約1.3年だが、他国企業は平均4.2年をかけている。専門家は、中国人消費者の「費用対効果が高くて技術が先進的な中国ブランド車を選ぶ」という傾向が、中国自動車メーカーの研究開発重視に拍車をかけていると指摘した。

 中国の自動車メーカーが今後も研究開発に力を入れることは間違いない。BYDのスマート運転分野の技術陣は5000人近くに達している。同社は今後、スマート化分野に1000億元(約2兆700億円)を投入し、生成AIなどの技術に重点を置いて研究開発を行う。中国の自動車メーカーが研究開発と技術革新を絶えず強化することで、業界全体がより効率的で、より環境に優しく、よりスマートな方向に発展しつつある。そして、中国の自動車メーカーは世界の自動車産業の持続可能な発展にも貢献している。(c)Peopleʼs Daily /AFPBB News