中国の貿易に伴う海運量は全世界の30%超、対応するための取り組み進む
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【8⽉5⽇ Peopleʼs Daily】世界の貿易の80%以上が海上輸送を通じて実現している。海運は世界の生命線だ。
中国政府・交通運輸部計画研究院が最近発表した「中国港湾運営分析報告(2024)」(以下「報告」)によると、全世界の海運量に占める中国の貿易に伴う海運量の割合が、2023年には前年比で2.2ポイント上昇して30.1%に達した。中国全国の沿海港湾での貿易貨物取扱量は前年比9.6%増の49億6000万トンだった。
中国の海運貿易ではコンテナ海運の割合が上昇しつつあり、2023年には前年比で0.2ポイント上昇して23.3%に達した。通関サービスの向上に伴い、コンテナを利用した輸出はますます便利になった。
浙江省(Zhejiang)の義烏市(Yiwu)では、サッカーのUEFA欧州選手権の開催に伴う関連商品の輸出激増に対応するために、税関が専用窓口を設けて通関を「ワンタッチ申告」にし、商品の99%以上について「秒単位審査」を実現した。寧波舟山港では税関がブロックチェーン技術を利用して証明や追跡を行って貨物の通関効率を向上させ、以前は1日当たり180台だった電気自動車などをコンテナで輸送する場合の通関台数を1000台超に引き上げた。
山東省(Shandong)の日照市(Rizhao)では、鉄道での中央アジアや欧州との輸送体制が整備されたことで、世界各地から海運で到着した貨物をモンゴル、ロシア、朝鮮、ベトナム、中央アジア各国に鉄道で輸送する物流が確立された。
中国の主要沿海港湾の貨物取扱量は急増しており、年増加率が10%を超える港湾もあるほどだ。「報告」によると、2023年に貨物取扱量が2億トンを超えた中国の沿海港湾は23か所ある。最も多かったのは取扱量が13億2000万トンだった寧波舟山港だ。
巨大的な取扱量の背後には、中国の沿海港湾の航海保障能力の向上がある。交通運輸部によると、2013年から2023年にかけて、中国の沿海航路標識は68.8%増加し、総数は2万600か所に達した。そのすべてで北斗(Beidou)衛星ナビゲーションシステムが利用されており、電子海図が全面導入され2023年には中国沿海電子海図の発行枚数が492万枚に達した。中国ではすでに世界最大の航海保障システムが構築された。
また、中国は北斗による情報の精度を高めるために地上局を100か所近く建設し、センチメートル単位のナビゲーションを提供するようになった。
「報告」は、中国の沿海港湾の貨物取扱量と貿易海運規模が安定成長を続け、2024年には全国の沿海港湾での貿易品取扱量が前年比3.2%の約51億トンに達すると予測した。
交通運輸部水運科学研究院の李清(Li Qing)副院長は、今後は人工知能(AI)や5G、ビッグデータなどの技術の海運分野での応用を迅速に進め、集約的かつ高効率のハブ港湾を建設し、沿海港湾のデジタル化、スマート化、グリーン化を推進することでハブ港湾としての総合能力を向上させるべきと考えている。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News