【4月3日 AFP】セネガル大統領選で勝利したバシル・ジョマイ・ファイ(Bassirou Diomaye Faye)氏(44)は選挙運動の終盤、2人の妻を伴って活動した。

 一夫多妻制は、イスラム教徒が圧倒的多数を占めるセネガルで、伝統的かつ宗教的な慣習として文化に根付いている。しかし、国政の場で指導者が自身の一夫多妻を積極的に明らかにした前例はなく、一夫多妻制に関する透明性を目指す改革を公約に掲げたファイ氏の明確な意思表示でもあった。

 これまで脚光を浴びることのなかった第1夫人のマリー・コーネ(Marie Khone Faye)氏は、ファイ氏と同じ村の出身。15年前に結婚し、4人の子どもがいる。ファイ氏が第2夫人のアブサ(Absa Faye)氏を迎えたのは1年余り前だ。

 社会学者のジビー・ディアカテ(Djiby Diakhate)氏は、「国家元首が一夫多妻制の伝統をついに認めた表れであり、セネガルの現実を反映するような状況だ」と指摘。

 一方で、多くの男性は一夫多妻制を称賛しているが、女性は「不信感」を抱く傾向があるとも説明した。

 セネガルでは多くの場合、婚姻登録が行われていないため、一夫多妻の実態を把握するのは難しい。

 だが、人口統計局の2013年の報告書によると、一夫多妻の割合は既婚者の32.5%に上った。一夫多妻を実践した平均年齢は女性で40.4歳、男性では52.9歳とされている。(c)AFP/Sonia BAKARIC and Soulé DIA