【3月15日 AFP】アフリカのアンゴラで、魔女でないことを証明するためと称して草のエキスを飲まされ約50人が死亡した。現地当局と警察が14日、明らかにした。

 国営ラジオの取材に応じた地元議員のルジア・フィレモネ氏によると、事件は1月から2月にかけて中部の町カマクパ(Camacupa)付近で発生した。

 トラディショナルヒーラー(民間治療師)が「魔術を使えるかどうかを確かめるため」と称して、50人以上にエキスを飲ませたという。

 ポルトガルの植民地だったアンゴラはカトリック教徒が多いが、教会が強い反対にもかかわらず、農村部の一部では今も魔術信仰が根強い。

 警察は50人の死亡を確認。警察の担当者は国営ラジオに対し、「魔術信仰が原因で、毒物を飲ませる行為が広く行われている」と説明した。

 アンゴラに魔術を禁止する法律はなく、地域社会はそれぞれの判断でこの問題に対処している。

 魔女疑惑は、「マラバウト」と呼ばれる民間治療師によって解決されることが多い。疑いを掛けられた人は「ムブルンゴ」と呼ばれる有毒な草のエキスを飲まされ、死ねば有罪とみなされる。(c)AFP