【1月13日 AFP】スペイン警察は12日、同国を代表する画家フランシスコ・デ・ゴヤ(Francisco de Goya)の絵画作品の額縁に接着剤で自らの手を貼り付けるなどして、各地の美術館などで抗議活動を行ってきた環境活動家22人を逮捕したと発表した。

 地元警察はAFPの取材に対し、逮捕したのは同国の環境団体「フツロ・ベヘタル(Futuro Vegetal)」のメンバーだと明らかにした。

 同団体は、2022年11月に首都マドリードのプラド美術館(Prado Museum)で、温暖化対策が不十分だと訴える抗議活動を実施。

 メンバー2人がそれぞれ、ゴヤによる世界的に有名な絵画「裸のマハ(The Naked Maja)」と「着衣のマハ(The Clothed Maja)」の額縁に手を接着剤で貼り付け、両作品の間の壁に「+1.5℃」と落書きした。地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定(Paris Agreement)」で掲げられた、気温上昇を産業革命以前の水準から1.5℃以内に収めるとの目標を意味するとみられる。

 作品自体は損傷を受けていない。

 逮捕された日付は明らかにされていないが、フツロ・ベヘタル側はX(旧ツイッター)に昨年12月に逮捕されたと投稿している。

 警察は、今回逮捕した22人は「犯罪組織」を形成し、同団体によるこれまでの損害額は50万ユーロ(約8000万円)を超えているとしている。

 フツロ・ベヘタルは、下院と農務省の建物の壁にもペンキを投げ付け、マドリード市内の主要幹線道路を封鎖し、同市内およびイビサ(Ibiza)島で滑走路を占拠して2か所の空港を一時閉鎖させた容疑も掛けられている。(c)AFP