【9月8日 AFP】ベルギーのフィンセント・ファンクイッケンボルヌ(Vincent Van Quickenborne)司法相の友人らが警護車両に「立ちション」していたことが発覚し、火消しに追われており、辞任騒動にまで発展している。

 マスコミは事件を、米国の「ウォーターゲート(Watergate)事件」になぞらえ「ピピ(放尿)ゲート」と呼んで嬉々としている。

 ファンクイッケンボルヌ氏の自宅で先月14日、50歳の誕生日パーティーが開催された。

 同氏は大規模な麻薬組織から家族に対する脅迫を受け、警察の警護対象となっており、自宅前には警護車両が止まっていた。

 パーティーに参加していた友人3人が、少々飲みすぎたのか家の前に駐車されていた警察のバンに向かって放尿していたことが発覚。同氏は3週間経ったいまも、「汚点」の払拭に奔走している。

 7日には議会公聴会で説明を求められ、警察全体に謝罪。犯人と思われる友人3人に自首するよう勧め、警察車両に対する無礼な損壊事件の捜査に協力していると主張した。

 しかし、これまでのところ要人警護官らによる小出しのリークと、司法相自身の自宅監視カメラの映像によってスキャンダルは拡大の一途をたどっている。

 8月下旬にマスコミに流出した警察の監視カメラの映像によると、深夜にパーティーを抜け出した3人のゲストは明らかに酔った様子で、司法相宅前に止まっていた警護車両に向かって体を預けていた。

 タブロイド紙によると、その後、ファンクイッケンボルヌ氏が笑いながら外に出てきて、放尿のしぐさをまねる映像も存在した。

 憤慨した警察組合はファンクイッケンボルヌ氏の辞任を要求したが、同氏は断固拒否している。

 司法相の上司たるアレクサンダー・デクロー(Alexander de Kroo)首相もパーティに出席していたが、7日、不謹慎なことは何も見ていないと述べた。首相はファンクイッケンボルヌ氏に辞任を要求していない。(c)AFP/Matthieu DEMEESTERE