【2月11日 AFP】米国のアントニー・ブリンケン(Antony Blinken)国務長官は11日、ウクライナ国境周辺でロシアが部隊のさらなる増強を続けており、今月20日まで続く北京冬季五輪の期間中も含めて、侵攻は「いつでも」起こり得ると警告した。

 ブリンケン氏は「われわれは、侵攻がいつでも起こり得る状況に置かれている。誤解のないように言うが、五輪期間中も含まれる」と明言し、ロシアが友好国である中国から注目を奪わないよう、五輪後まで待つのではないかという臆測も退けた。

 オーストラリア・メルボルンで開かれた日豪印米4か国(通称「クアッド(Quad)」)の外相会合出席後にブリンケン氏は「端的に言えば、ロシア側のエスカレートを示す不穏な兆候が続いている」と指摘した。

 ブリンケン氏は、米側は「外交を通じて」ロシアとの「相違を解消することを強く希望」しており、「全力でロシアへの働き掛けを行ってきている」と強調した一方で、「同時に、明瞭な形で抑止策や防御策を講じ、ロシアに対しては、もしさらなる侵略の道を選ぶのであれば、極めて重大な結果を招くことになると明確に忠告してきた」と述べた。

 これに先立ちジョー・バイデン(Joe Biden)大統領も、ウクライナ在住の米国人に対し国外退去を呼び掛け、有事が差し迫っていることを強く示唆した。(c)AFP