【1月4日 Xinhua News】中国では北京冬季五輪の招致が決まった2015年以降、ウインタースポーツに身を投じる人がますます増えている。五輪開幕を控え、氷雪関連消費はさらに急増している。

 電子商取引(EC)大手、京東集団(JDドットコム)のウインタースポーツ用品販売統計によると、21年の「独身の日」(11月11日)にちなんだ年間最大規模のネット通販セール「双11(ダブルイレブン)」では、スキーウエアが前年同期比3・7倍、スノーボードが6・9倍、スキーゴーグルが4倍の売り上げとなった。

 氷雪関連消費の熱が高まっているのは政府レベルで各種の優遇政策が打ち出されたためでもある。北京体育大学スポーツレジャー・観光学院の蒋依依(Jiang Yiyi)教授は、北京冬季五輪の開催がウインタースポーツと氷雪観光を急成長させ、ウインタースポーツ関連消費を押し上げていると指摘。特に「2022年北京冬季五輪を契機とするウインタースポーツ発展に関する意見」の発表後、ウインタースポーツ関連消費は急成長の勢いがさらに高まっていると述べた。

 ウインタースポーツの愛好者や氷雪観光に出かける人が増えるにつれ、中国の氷雪関連消費の基盤はさらに固まりつつある。「中国氷雪観光発展報告2020」によると、中国の2018~19シーズンの氷雪観光者数は延べ2億2400万人、市場規模は8千億元(1元=約18円)に達した。スキー旅行に出かける人も急増し、スキー客数は延べ2千万人に迫り、市場の成熟した北米や欧州の一部の国を上回っている。

 ウインタースポーツの祭典を控え、氷雪消費に潜む大きなチャンスも目前に迫ってきている。清華大学体育産業発展研究センターが発表した「2021中国青年ウインタースポーツ参加状況報告」によると、北京冬季五輪の招致後、ウインタースポーツに対する若者の参加意欲が高まり続けており、3分の1の若者がソーシャルメディアでウインタースポーツ関連の配信者やブロガー、アイドルをフォローしている。

 数多くの海外ブランドも中国市場進出を加速させている。ドイツのスキーウエアブランド、ボグナーは昨年12月2日、中国ダウン衣料大手の波司登(ボストン)と合弁会社を設立し、中国市場を共同で開拓すると発表した。冬季五輪の開催でウインタースポーツ熱はさらに盛り上がると予測し、今後5年で中国全土に小売店約80店舗を開設することを決定した。米スポーツウエアブランドのボルコムは11月、北京に1号店を開店した。日本のスポーツアパレルメーカー、ゴールドウインも中国事業の拡大を計画している。(c)Xinhua News/AFPBB News