日本企業が中国市場に持ち続ける期待とは 中国輸入博のリピーター4社に聞く
このニュースをシェア
【11月11日 CGTN Japanese】第4回中国国際輸入博覧会が11月5日から10日にかけて上海で開催され、過去最多の127の国・地域の約3000社が出展しました。この中には、4回連続で出展している日本企業も多数あります。中国のWTO加盟から20年目の今年、出展に寄せる思いや中国で実感した市場の変化、今後の見通しなどについて、輸入博のリピーターとなった日本企業の代表にお話を伺いました。
資生堂中国CEOの藤原憲太郎氏は、「中国経済が発展する中で、お客様がスタンダードと考えるレベルが上がり、ニーズも多様化している」とその変化を語り、「関税の引き下げだけでなく、外資系企業の声を聞く場を設けるなど、政府の強いコミットメントを感じる」として、ビジネス環境の改善に向けた中国政府の取り組みをポジティブに評価しました。そのうえで、「単に開放していくだけではなく、国内の巨大な消費市場に外資企業がどう参入できるかということもしっかり考えてくれている。われわれも中国市場の発展に期待しており、一緒に頑張っていきたい」と意気込みを見せました。
また花王株式会社のアジア事業統括(常務執行役員)を務める西口徹氏は「花王が中国に進出して30年あまり、中国のスピード、質の高さ、規模の大きさの全てに感銘を受けている。生活を豊かにしていこうとする中国の姿勢に今後もマッチしていきたい」と語り、今後の中国市場での展開について意欲を示しました。
日系企業の中では最大級の規模である1002平方メートルのブースを構えたパナソニックの代表取締役副社長、中国・北東アジア総代表の本間哲郎氏は輸入博への出展について「毎回、非常に前向きな反応がある」とし、「中国国内の市場動向を知り、パートナーや地方政府と交流できる素晴らしいプラットフォーム」と評価しました。
なお、今回のパナソニックブースのキーワードは「健康養老」「清潔」「環境」の3つで、特に初めて設置された「環境」のコーナーは、中国が掲げる「2060年にカーボンニュートラルを目指す」という目標を強く意識した出展となりました。
医療機器メーカー、テルモ株式会社の中国地域総代表である丸田正行氏は、「中国市場においては、『双循環』よりも『地産地消』を目指す」と示し、輸入博への出展については、「1年目は理解不足から小規模の出展で開始したが、ブランドづくりの大きな機会だと知り、今回は大規模な展示にした」と語りました。また、WTO加盟後の中国市場については「二桁の年平均成長率を保っている中国は、テルモが進出している海外市場の中で伸びの最も早い国だ」と確かな手ごたえを明かしました。(取材、写真:劉叡)(c)CGTN Japanese/AFPBB News