タリバンが新政権発足を宣言 主要閣僚を発表
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【9月8日 CGTN Japanese】アフガニスタンのタリバンは現地時間7日、新政権の発足を宣言し、「アフガニスタン・イスラム首長国」の政権構築を発表しました。主要閣僚も同時に発表されました。タリバンのムジャヒド報道官は7日の記者会見で、「タリバンの最高指導者アクンザダ師は『アミール』の身分で国を統帥する」と明らかにしました。「アミール」とはアラビア語で、他人を統率する人という意味です。現在、国家元首がアミールである国はクウェートとカタールのみとのことです。
新政権の暫定首相に就任したアフンド師は故タリバン指導者オマル師の親密な戦友で、米国のアフガニスタン侵入以前は、タリバンで外相などを歴任しました。
第1副首相に就いたバラダル師は国際社会にも知られた人物で、バラダル師がタリバンを率いて西側との交渉を行った結果、米軍が撤退しました。またバラダル師は最近、代表団を率いて中国の天津を訪れ、王毅国務委員兼外交部長と会談を行いました。
アフガニスタンのタリバンによる新政権発足の発表後、反タリバン勢力の「民族抵抗戦線(NRFA)」はSNSに声明を発表し、「タリバンが樹立した政権は不法なものであり、『民族抵抗戦線』はアフガニスタンの政治指導者や専門家と会談した後、合法で責任ある民主的な政治の枠組みを発表する」としています。また声明は、「『民族抵抗戦線』は、民主的で合法な政権は国民の選挙への参加によってのみ樹立できると考えている」と表明し、国連などの国際組織に対して、タリバン政権を認めず、タリバンと外交関係を樹立しないよう呼びかけたほか、アフガニスタン国民に対して、引き続きタリバンによる統治に抵抗するよう呼びかけました。
アフガニスタン新政権の閣僚発表後まもなく、インドの日刊紙「パイオニア」は、タリバンがアフガニスタンのバグラム空軍基地を中国に移譲しようとしていると報道しています。バグラム空軍基地はアフガニスタン最大の軍事基地であり、カブールからはわずか数十キロしか離れておらず、以前旧ソ連がアフガニスタンに侵入した際の最重要基地で、その後米軍のアフガニスタン進出の本拠地となったところです。
これについて、中国外交部の汪文斌報道官は7日の定例記者会見で、「全くの虚偽情報だ」と明確に答えました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News