【5月16日 AFP】ミャンマーの市民らが結成した反クーデター武装組織は16日、数日にわたる国軍との衝突で戦闘員6人が死亡したと明らかにした。英国と米国は、国軍の市民に対する暴力行為を非難している。

 2月1日のクーデターでアウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)国家顧問が拘束されて以来、ミャンマーでは抗議デモが続いている。

 現地の監視団体によると、治安部隊によるデモの弾圧で少なくとも790人が死亡。市民が武装組織を結成して、町を守る動きも出ている。

 西部チン(Chin)州ミンダット(Mindat)では、一部の住民が「チンランド防衛隊(CDF)」を結成した。

 CDFは16日、隊員6人が死亡したと発表した。CDFの報道官によれば、今週には隊員10人以上が負傷し、住民5人が拘束された。

 ミャンマー全土でモバイルデータ通信が制限されていることから、CDFと国軍の戦闘の詳細はなかなか伝わってこない。また、住民が報復措置を恐れているため、現地での情報収集も難しくなっている。

 匿名でAFPの取材に応じたCDFの報道官は、CDFの戦闘員らは複数の軍用トラックを焼き払い、国軍の増援部隊を奇襲したと語った。一方、国軍は町を砲撃している。

 同報道官によれば、CDFは16日までにジャングルの中へ撤退した。

 米国と英国の在ミャンマー大使館は15日、ミンダットの状況に警鐘を鳴らし、治安部隊に暴力をやめるよう求めた。

 ミャンマー全土でクーデターへの抗議デモが続けられており、北部パカン(Hpakant)ではデモの参加者らが「強くあれ、ミンダット」と書かれたプラカードを掲げていた。(c)AFP