中国で1番稼いだ業界は? 決算から見る経済構造の新変化
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【5月16日 Xinhua News】中国上場企業の2020年12月期決算が出そろい、業績ランキングが明らかとなった。新型コロナウイルス感染症による関連需要の急増を追い風に、バイオ医薬業界が大きくリードした。上海証券取引所のハイテク新興企業向け市場「科創板」に上場するバイオ医薬企業の純利益は前年比の3・6倍、深圳証券取引所では約2倍に増加した。
深圳証取の新興企業向け市場「創業板」では、中紅普林医療用品の純利益が前年の29・8倍、康泰医学系統(秦皇島)は8・3倍、穏健医療用品は7・0倍に増加した。
電子業界も同様に好調だった。深圳証取はその理由について、「家電製品やクラウドサービスの需要が上昇し続け、新興産業の電子部品需要が予想以上に増大したため」との見方を示した。
深圳証取の統計によると、深圳市(Shenzhen)の電子業界の純利益伸び率は20年、49・3%に達し前年を26・1ポイント上回った。バイオ医薬や電子業界の利益は深圳株式市場全体の20・0%を占めた。
「科創板」上場企業のうち、新エネルギー業界の純利益伸び率は80・0%、次世代情報技術(IT)業界は68・0%に達し、力強い成長の原動力を示した。
利益の伸びが高い業界の多くは新興産業に属する。新旧原動力の転換やイノベーション志向により、新興産業の企業はこれまで以上に発展チャンスを迎えている。
中国証券監督管理委員会直属の政策研究機関である中証金融研究院の張望軍(Zhang Wangjun)院長は「企業数の約4割を占めるハイテク製造業やハイテクサービス業などの上場企業は20年、利益の伸び率が従来の業界水準を大きく上回った」と述べた。
同研究院の統計によると、ハイテク製造業のコンピューター・通信・電子機器製造業の20年純利益伸び率は73・9%、計測機器製造業は59・5%に達し、製造業全体の37・4%を明らかに上回った。また、情報配信・ソフトウエア・ITサービス業をはじめとするハイテクサービス業の純利益伸び率は45・8%となり、サービス業全体のマイナス61・1%をはるかに上回った。(c)Xinhua News/AFPBB News