今年初の「対面式国際会議」を実現 中国の「実力」見せつけたボアオフォーラム
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【5月3日 東方新報】アジアを中心に政財界の要人が集まる中国主導の国際経済会議「ボアオ・アジアフォーラム(Boao Forum for Asia)」が先月18~21日、中国・海南省(Hainan)の博鰲(Boao)が開かれた。対面方式での主要な国際的会合としては今年初めて。コロナ禍を克服した中国の「実力」をアピールしつつ、アジア諸国との経済連携を深め、「対中包囲網」を仕掛ける米国への対抗姿勢を見せつけた。
2001年に始まったボアオフォーラムは、世界経済フォーラム(WEF)ダボス会議のアジア版とも言われ、アジアで最も影響力のある経済会議に発展している。昨年は新型コロナウイルスの影響で中止となり、今年も開催が危ぶむ声があったが、対面方式を中心にオンラインで補完した会議を実現。15か国の政府首脳、約100人の大臣級の政治家・官僚(元職含む)、29人の国際・地域機関トップ、世界トップ500に入る国際企業の経営幹部約100人、多くの専門家、学者らが4日間の会期中に参加した。
ボアオフォーラムの李保東(Li Baodong)事務局長は21日の閉幕記者会見で「各国の政界、財界、学界の代表者が『世界の大きな変局』『グローバル・ガバナンス』『一帯一路(Belt and Road)協力』という3つのキーワードに焦点を当て、重要な意見を発表した」と成果を語った。
今年のボアオフォーラム開催は、中国にとって大きな意義があった。
リモートでない「リアル国際会議」を実現したことで、中国や近隣アジア諸国が有効な新型コロナ対策を採っており、経済を回復させる態勢を整えていることをアピールした。フォーラム初日には主催者側から「アジア経済の見通しと統合プロセス」というリポートが発表され、「2021年はアジア経済が回復し、経済成長率は6.5%以上に達する可能性がある」と予測した。
また、米国が「中国は国際秩序を破壊する国だ」と批判し、各国との分断を図っているのに対し、中国側はフォーラムの場で「中国は破壊者ではなく、協力者である」と主張。中国の急速な経済発展はアジアの発展の重要な原動力となっており、国際経済におけるアジアの地位向上には中国が不可欠だと強調した。ボアオフォーラムは、中国がポストコロナ時代もアジアの復興の中心であり続けると世界に発信する大きな舞台となった。(c)東方新報/AFPBB News