【1月4日 AFP】韓国政府は4日、昨年の死者数が出生者数を上回り、同国史上初めて人口が減少したと発表した。貧しい自治体が「消滅の危機」に直面していると警告している。

 経済規模で世界12位の韓国は、世界有数の長寿国である一方、出生率は最低レベルという、人口危機につながる要因を抱えている。

 行政安全省発表の統計によると、昨年12月31日現在での人口は5182万9023人で、前年比で2万838人減。

 近年減少を続けている年間出生数は、昨年は27万5815人で、30万7764人となった死者数の方が初めて上回った。

 同省は「経済、医療、教育インフラが整っていない地方では、町の消滅が加速する」と警鐘を鳴らし、福祉や教育システムなど政府の施策の「根本改革」を要請した。

 専門家らによると、この現象には複数の要因があり、子育て費用や不動産価格の高騰、さらに激しい競争社会において高収入の仕事の確保が難しいことなどが挙げられるという。

 また仕事を持つ母親が、キャリアを維持しながら家事と育児も担うという二重の負担も、出生数減少の大きな一因となっている。(c)AFP