【12月26日 AFP】クリスマスを迎えた25日、世界各地で祝賀行事が行われたものの、今年は新型コロナウイルス対策の規制により規模が縮小された。ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇(Pope Francis)は、ワクチンを「この暗く不安な時にあっての希望の光」と表現し、全ての人に行き渡らせるべきだと訴えた。

 新型ウイルスの大流行では、これまでに世界で170万人以上が死亡。現在も各地で感染拡大が続いているが、最近、大規模なワクチン接種が始まったことで、来年には収束に向かうのではとの期待が膨らんでいる。

 今年は世界中の人々がクリスマスの伝統を破らざるを得なかったが、ローマ教皇もまた、サンピエトロ広場(St. Peter's Square)に大勢が集まるのを防ぐため、毎年恒例のクリスマスメッセージ「ウルビ・エト・オルビ(Urbi et Orbi)」(ローマと全世界へ)をバチカン宮殿(Apostolic Palace)から動画で配信。

「私は全ての人、国家や企業、国際機関の指導者に呼び掛ける。競争ではなく協力を促すよう、全ての人のための解決策を見つけるようにと。全ての人にワクチンを、特に、地球の全ての地域の最も弱く最も助けを必要としている人々にワクチンが行き渡るように」と述べた。

 英国のエリザベス女王(Queen Elizabeth II)も、毎年恒例のクリスマススピーチで「困難で予測不可能な時代」における希望について語り、「今年の困難に堂々と立ち向かった」英国と世界中の人々を誇りに思うと述べた。英国は現在、感染拡大ペースがはるかに速いとみられる新型コロナウイルス変異種が発見されたことで、さらなる苦境に立たされている。

 韓国ではクリスマス当日、1日の新規感染者数が最多を更新。各地の教会は閑散とし、信者らはインターネット上での集会を開いた。カトリック教徒が多数を占めるフィリピンでは、各地で礼拝が行われる中でマグニチュード(M)6.3の地震が発生。既にパーティーや聖歌隊の合唱が禁止されていた受難のクリスマスに追い打ちをかけた。(c)AFP/Catherine Marciano with AFP bureaus