【12月1日 AFP】米国で連続殺人事件を起こしたチャールズ・マンソン(Charles Manson)率いるカルト集団の信者で、終身刑で服役中のレスリー・バン・ハウテン(Leslie Van Houten)受刑者(71)をめぐり、カリフォルニア州知事は先月27日、仮釈放申請を却下した。却下されるのは、今回で4度目。

 1969年にロサンゼルスで夫婦を殺害したバン・ハウテン受刑者についてギャビン・ニューソム(Gavin Newsom)知事は、「識見と誠実さ」を欠いており、収監から50年以上が経過した今でも、仮釈放された場合には社会に危険をもたらし得ると述べた。

 バン・ハウテン受刑者の仮釈放は、7月に仮釈放委員会が認めていたが、知事がその決定を覆す形となった。

 当時19歳だったバン・ハウテン受刑者は、別の信者2人と共に、レノ・ラビアンカ(Leno LaBianca)さんとローズマリー・ラビアンカ(Rosemary LaBianca)さんの自宅に侵入し、ローズマリーさんを16回刺した。

 別の信者2人はラビアンカ夫妻を殺害する前夜、マンソンの指示の下、女優のシャロン・テート(Sharon Tate)さんら5人を刺殺するという、20世紀の米犯罪史上最も悪名高い事件の一つを起こした。

 ラビアンカ夫妻の殺害現場には、被害者の血で壁と冷蔵庫に「Death to Pigs(ブタに死を)」と「Rise(立ち上がれ)」と書かれており、レノさんの腹部には「War(戦争)」と刻まれていた。これらはすべて、人種間戦争を引き起こそうとしたマンソンの「ヘルター・スケルター(Helter Skelter)」計画を示す言葉だった。

 バン・ハウテン受刑者はこれまで3度仮釈放の承認を受けていたが、ニューソム知事が1度、ジェリー・ブラウン(Jerry Brown)前知事が2度、その判断を覆している。

 バン・ハウテン受刑者の弁護人は、ニューソム知事の判断に対して不服申し立てを行う意向を明らかにした。(c)AFP