【10月27日 AFP】カタールの首都ドーハの空港のトイレで産み捨てられた未熟児が見つかり、母親を見つけるために利用客の女性が子宮頸部(けいぶ)の検査を強要された件で、自国民が検査対象にされたオーストラリア政府は26日、極めて憂慮すべき不快な出来事だと非難した。

 ドーハのハマド国際空港(Hamad International Airport)で今月2日、多くの女性客が旅客機から降ろされ、直前に出産した痕跡がないか調べるために検査を強要された件は、オーストラリア人の乗客らが声を上げたことで初めて発覚した。

 ドーハの消息筋がAFPに語ったところによると、女性たちは子宮頸部の検査を強要されたという。

 オーストラリアのマリス・ペイン(Marise Payne)外相は「一連の出来事は、極めて憂慮すべき不快なものだ。人生の中でこんなことは聞いたことがない」と非難。「わが国の懸念をカタール当局に明確に伝えた」と述べ、この件についてオーストラリア連邦警察に照会したと明らかにした。

 ドーハ発シドニー行きの便に乗っていた弁護士のウルフガング・バベック(Wolfgang Babeck)さんはAFPの取材に対し、呼び出された女性らは「大きなショックを受けた様子で」機内に戻ってきて、女性医師による検査を受けるため、下半身を裸にされたと言っていたと述べた。

 さらにバベックさんは、「全員が動揺していて、怒ったり泣いたりしている人もいた。平たく言えば、誰もが信じられないことが起きたという様子だった」と話し、この件は「国際法に違反」する可能性もあるとの考えを述べた。(c)AFP