【10月26日 AFP】シリア北西部で26日、政府軍を支援するロシア軍による空爆があり、トルコが支援する反体制派の戦闘員78人が死亡した。在英NGOのシリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)が発表した。3月の停戦合意以降、最多の死者が出たとしている。

 同監視団によると、ロシア軍機による空爆の対象となったのは、イドリブ(Idlib)県ジャバルドワイリ(Jabal Duwayli)にある反体制派組織「ファイラク・アルシャム(Faylaq al-Sham)」の訓練キャンプ。負傷者も90人を超えているという。

 反体制派の最後の拠点であるイドリブに対しては、ロシアの支援を受けたシリア政府軍が激しい攻撃を続けていたが、3月初めにロシアとトルコの仲介で実現した停戦合意により、シリア政府軍の攻撃は落ち着きを見せていた。

 断続的な爆撃は続いており、22日には米軍が無人機による攻撃を行ってイスラム過激派戦闘員17人が死亡。とはいえ、この停戦合意はおおむね履行されていた。

 ラミ・アブドルラフマン(Rami Abdel Rahman)同監視団代表は、26日の攻撃により「停戦合意が発効してから最多の死者が出た」と警戒している。

 監視団は、シリア政府軍は立て続けに勝利を収め、国土の約70%を奪還したとみている。

 2011年の反政府デモへの残虐な弾圧に端を発したシリア内戦で、これまでに38万人超が死亡。国内外で避難を余儀なくされている人は数百万人に上っている。(c)AFP