【10月26日 AFP】来月行われる米大統領選について、中東・北アフリカで行われた世論調査の結果、民主党の大統領候補ジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領を支持するアラブ人の数が、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領を支持する人を大幅に上回ることが、25日明らかになった。

 英国の調査会社ユーガブ(YouGov)はサウジアラビアの新聞アラブ・ニューズ(Arab News)からの依頼で、中東・北アフリカ18か国で3097人を対象に世論調査を実施。その結果、およそ39%がバイデン氏を支持すると回答した一方、トランプ氏を支持すると答えた人は12%にとどまった。49%は、どちらの候補者も望ましくないと回答した。

 米国が重要な役割を果たしているアラブ世界では、現職のトランプ氏が再選を狙う11月3日の米大統領選に注目が集まっている。

 トランプ氏は、イランに対して厳しい態度で臨むなどの理由で、サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)をはじめとする多くのアラブ諸国の政府から支持されていると広く考えられてきた。

 トランプ氏はまた、バラク・オバマ(Barack Obama)前大統領とは対照的に、サウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子(Crown Prince Mohammed bin Salman)といった人権侵害で厳しく批判されている指導者らへの支持を明確に表明している。しかし今回の調査結果は、世論はそれとは異なることを示した。

 ユーガブのステファン・シェークスピア(Stephan Shakespeare)最高経営責任者(CEO)はAFPに対し、「もしアラブ世界が次期大統領を選ぶなら、バイデン氏が圧倒的な勝利を収めるだろう」と述べた。

「しかし、その理由には、彼らがバイデン氏のことをよく知らないのもある。回答者の半数ほどしかバイデン陣営について聞いたことがないと答えた一方、ほぼ全員がトランプ氏について聞いたことがあると回答した」(シェークスピア氏)

 バイデン氏が勝利した場合は、約58%のアラブ人が「オバマ政権の政策から距離を置くべきだ」と回答した。

 アラブ人が次期米大統領の取り組みを期待する3大項目としては、若者の自立促進、アラブ・イスラエル間の紛争、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)への対応が挙げられた。(c)AFP