【10月26日 AFP】ロードレース世界選手権(WGP 2020)第12戦、テルエルGPは25日、MotoGPクラス決勝が行われ、ポールポジションからスタートしたLCRホンダ・イデミツ(LCR Honda IDEMITSU)の中上貴晶(Takaaki Nakagami)は開幕ラップでクラッシュし、リタイアとなった。中上は「重圧をコントロールできなかった」と認めている。

 日本人としては16年ぶりにMotoGP決勝のポールスタートを勝ち取った28歳だが、初勝利の夢は1周目のターン5で一瞬にして終わりを迎えた。転倒してコースアウトした中上は、グラベルに膝をついてがっくりうなだれ、その後ピットへ戻っていった。

 中上は「グラベルで終わりを迎えるなんて予想していなかった」「本当に落胆しているし、フリー走行から素晴らしい仕事をしてくれたチームに申し訳ない」「みんなゾーンに入っていたし、勝てると信じていたが、大きな重圧も感じていた。感じないように努めたが、コントロールできなかった」と話した。

 さらに、後続の選手を抑え込もうとする中で無理をしてしまったと明かし、「スピードを出しすぎた。そこで小さなミスがあって先頭を失った」「難しかった。気づいたらグラベルにいた」と続けた。

 それでも、残り3レースとなった今シーズン、総合7位につける中上は、今回のミスから学んで11月の次戦ヨーロッパGPにつなげたいと語った。

「前進を続けて強くなりたい。もっと成長できれば未来は明るい」「これが人生だし、これがレース」

 大会は2番手でスタートしたペトロナス・ヤマハSRT(Petronas Yamaha SRT)のフランコ・モルビデリ(Franco Morbidelli、イタリア)が優勝。中上のクラッシュ後にトップに立ち、そのままチーム・スズキ・エクスター(Team SUZUKI ECSTAR)のアレックス・リンス(Alex Rins、スペイン)を抑えてレースを制した。

 総合首位に立つスズキのジョアン・ミル(Joan Mir、スペイン)は3位に入り、総合順位で2位につけるヤマハのファビオ・クアルタラロ(Fabio Quartararo、フランス)との差を14ポイントに広げた。(c)AFP