【10月25日 AFP】トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は24日、フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領のムスリム(イスラム教徒)に対する政策を非難し、マクロン氏が「精神検査」を受ける必要があると述べた。

 マクロン氏とエルドアン氏は、東地中海の海洋権益、リビアやシリアの情勢のほか、最近では係争地ナゴルノカラバフ(Nagorno-Karabakh)をめぐり激化しているアゼルバイジャンとアルメニアの紛争などで対立している。

 エルドアン氏は、トルコ中部の都市カイセリ(Kayseri)で行いテレビ放送された演説で、「さまざまな信仰グループに属する何百万もの人々をこうした形で扱う国家の代表について、何と言えるだろうか。まず言えるのは、精神検査を受けろということだ」と主張。

「マクロンという人物は、イスラム教やイスラム教徒と何の問題を抱えているのか?」とエルドアン氏は問い掛け、「マクロン氏は精神面での治療が必要だ」と述べた。さらに2022年の次期仏大統領選でマクロン氏はうまくいかないだろうとの見通しを表明した。

 マクロン氏は、フランスの世俗的な価値観をイスラム過激派から守ると提言し、トルコ政府の怒りを買っていた。

 今月、マクロン氏はイスラム教が世界中で「危機的状況」にある宗教だとし、1905年施行の政教分離法をさらに厳格化する内容の法案を12月に提示する意向を表明。さらに、学校教育の監督とモスク(イスラム礼拝所)への外国からの資金援助の規制を強化する方針を示した。(c)AFP/Fulya OZERKAN