【10月24日 AFP】スペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)でプレーするFWルカ・ヨビッチ(Luka Jovic)が、新型コロナウイルスの感染防止対策として義務付けられていた自主隔離規則に違反した疑いで、母国セルビアで禁錮6月に直面する可能性があると、23日に同国検察が明らかにした。

 レアルは3月にヨビッチがセルビアで家族と過ごすためにスペイン・マドリードを離れることを許可したが、23歳のストライカーは母国の首都ベオグラードを歩き回り、サッカー仲間と飲酒を楽しんでいたと地元メディアで報じられた。

 セルビア検察は現在、ヨビッチが「感染拡大が深刻な国」から帰国していたにもかかわらず「居住地を離れた」として、裁判所に刑罰を求めている。当時の規則では、同選手は2週間の自主隔離に入る必要があった。

 検察は訴追を取り下げる見返りとして提示していた3万ユーロ(約372万円)の人道支援金について、ヨビッチが支払いを拒否したことを受けてこの問題を裁判所に委ねている。

 セルビアのアナ・ブルナビッチ(Ana Brnabic)首相は当時、国内が新型コロナウイルスとの闘いで非常事態宣言が発令された最初の週に突入していた中で、「海外でプレーするサッカー選手」が悪例を示していると批判し、「彼らは数百万ユーロの契約をしていて、ここに来て自主隔離をしていない。当局がこれから対処していくべき事案だ」と述べていた。

 ヨビッチはスペイン出国時とセルビア到着時の検査でいずれも陰性だったと主張しており、「自主隔離での行動に関して明確な指示」がなかったことも付け加えていた。(c)AFP