【10月22日 AFP】国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は21日、ナイジェリアの最大都市ラゴス(Lagos)で前日に起きた治安当局によるデモ隊銃撃で、少なくとも12人が死亡したと発表した。国際社会はデモ隊銃撃を非難。同市では複数の建物が放火されるなど、治安が悪化している。

 アムネスティによると、ナイジェリアの軍と警察の部隊は20日夜、市内2か所でデモ隊を銃撃した。同国では、警察の残虐行為と社会への根深い不満から抗議運動が激化し、事態の収拾を目指した外出禁止令が出されていたが、デモ隊は命令に逆らい平穏な抗議運動を行っていた。

 アムネスティは発表で、「10月20日の午後6時45分~9時(日本時間21日午前2時45分~5時)に、軍が数千人に向けて発砲したことが、目撃者や映像、病院から集められた証拠で確認された」としている。

 ソーシャルメディアでは、銃撃後の混乱を捉えた写真や動画が拡散した。国際社会は銃撃を非難。国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のミチェル・バチェレ(Michelle Bachelet)高等弁務官は、銃撃は計画的なものだったことを示す情報があると述べた。

 2000万人が暮らす大都市ラゴスの中心部は21日、外出禁止令が敷かれる中でほぼ無人となり、店舗は閉鎖された。AFP記者によると、銃撃現場周辺では複数の建物が焼失。別の地域ではバスターミナルが放火され、若者の集団と警察との間で散発的な衝突も発生し、警察は時折空に向かって発砲した。(c)AFP