【10月20日 AFP】米大リーグ(MLB)、ロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)の左腕クレイトン・カーショウ(Clayton Kershaw)は、ワールドシリーズのタイトルを手にして将来の米国野球殿堂(Baseball Hall of Fame)入り候補としての名声を固めるべく、20日に行われるタンパベイ・レイズ(Tampa Bay Rays)との第1戦に先発する。

 32歳のカーショウはワールドシリーズでキャリア5度目の先発マウンドに臨み、ポストシーズンでは結果を残せないとの声を今度こそ黙らせようとしている。ドジャースを率いるデーブ・ロバーツ(Dave Roberts)監督は、前週行われたアトランタ・ブレーブス(Atlanta Braves)とのナ・リーグ優勝決定シリーズ第4戦で、同選手が6回に打ち込まれて敗戦した試合の後、「そうした声は真実とはかけ離れている」と擁護した。

 ドジャースがシリーズ1勝3敗の劣勢をはねのけ、直近4年間で3度目のワールドシリーズ進出を果たした今、カーショウはいや応なしにエースとして注目を浴びることになる。

 通算3度のサイ・ヤング賞(Cy Young Award)に輝くカーショウだが、キャリアを通じてプレーオフでは負け越している。防御率もレギュラーシーズンでは2.43だが、ポストシーズンに入るとその数字は急激に跳ね上がり、ここまでのワールドシリーズ5試合では5.40となっている。

 カーショウはヒューストン・アストロズ(Houston Astros)と対戦した2017年のワールドシリーズ第5戦で、4回まで4-0とリードしながらこの回に4失点を許した。また、ボストン・レッドソックス(Boston Red Sox)との2018年の同シリーズでは、第1戦と第5戦に先発していずれも負け投手となった。

 さらに昨シーズンはワシントン・ナショナルズ(Washington Nationals)との地区シリーズ第5戦に登板したが、2者連続の本塁打を浴び、2点あったリードをふいにした。そしてチームは延長10回の末に3-7で敗れ、ワールドシリーズ進出を逃してしまった。

 これに不満を募らせたファンは試合後、駐車場でカーショウのユニホームを車で踏みつける行為に及んでいた。しかし、ロバーツ監督はポストシーズンにおけるカーショウの数字は、同選手が大一番に弱いことを示すものではなく、むしろ背負わされている重責の証しだと強調している。

 特にドジャースはレイズと今季一度も対戦していないため、カーショウは入念な準備をすることが重要となる。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)でシーズン期間が短縮されたりチームの遠征も限られたりしていた中で、ドジャースはテレビでレイズ戦を見る機会もほとんどなかったという。

 カーショウは背中の痛みでリーグ優勝決定シリーズの1試合を回避していたが、19日には準備は整っていることをアピール。失意の結果に終わった過去のポストシーズンの話からも距離を置く姿勢を示している。

「戦いはシーズンによって違う」「特にポストシーズンは経験を駆使して、とにかく最大限に教訓を生かそうとしているけれど、毎年違うものだし対戦するチームも異なっている」「レイズはアストロズやレッドソックスとは違うチームだ」「いつも通り最大限に準備を整えていく。またワールドシリーズに出場できる機会を得られてわくわくしている」 (c)AFP/Rebecca BRYAN