【10月18日 AFP】ヨーロピアンラグビーチャンピオンズカップ(2019-20 European Rugby Champions Cup)は17日、決勝が行われ、エクセター・チーフス(Exeter Chiefs、イングランド)が31-27でラシン92(Racing 92、フランス)との激戦を制し、初の欧州王者に輝いた。

 エクセターは序盤に14-0とリードを奪いながら、残り15分で1点差に迫られたが、終了間際に主将のジョー・シモンズ(Joe Simmonds)がペナルティーゴール(PG)を決めて突き放し、両チーム通じて8本のトライが生まれた試合を制した。

 最後の最後にも会場の時計に問題が起こるドラマが待っていたが、ナイジェル・オーウェンズ(Nigel Owens)主審はテレビジョンマッチオフィシャル(TMO)に相談した上で、ラシン側のキックオフで試合を再開する時間は残っていないと判断し、終了を宣言した。

 エクセターとしては、今回と同じ英ブリストル(Bristol)のアシュトン・ゲート(Ashton Gate)でプレーオフを制し、イングランド・プレミアシップに昇格してからちょうど10年での栄冠となった。さらに今季は国内リーグでもワスプス(Wasps)とのプレミアシップ決勝へ勝ち進んでおり、2冠達成の可能性を残している。

 本来であれば、この決勝は5か月前に仏マルセイユ(Marseille)で行われているはずだったが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)によって延期となり、さらに無観客で開催された。

 試合を終えたエクセターのロブ・バクスター(Rob Baxter)ヘッドコーチ(HC)は、英BTスポーツ(BT Sport)に対して「選手とクラブにとって信じられないストーリーになった」「見ていて恐ろしい試合で、最後の10分は永遠のようにも思えたが、結果を見届けた今はこうなる運命だったように感じる」とコメントした。

 両チームともに4トライを決める中で、エクセターとしてはシモンズがPGだけでなく、コンバージョンキック4本を全て成功させ、キックの正確性で上回ったことが勝負の決め手となった。対するラシンはこれが3回目のチャンピオンズカップ決勝だったが、またしてもタイトルには手が届かなかった。

 また試合後には、ジョーの兄で、決勝でもトライを決めたナンバー8のサム・シモンズ(Sam Simmonds)が2020年の欧州年間最優秀選手に選出された。

 サムは今大会最多となる8トライをマーク。イングランドの選手が同賞を受賞するのは、マロ・イトジェ(Maro Itoje)、オーウェン・ファレル(Owen Farrell)、アレックス・グッド(Alex Goode)のサラセンズ(Saracens)の3人に続いてここ5年で4人目となった。(c)AFP