【10月16日 AFP】米プロバスケットボール(NBA)、ヒューストン・ロケッツ(Houston Rockets)のダリル・モリー(Daryl Morey)ゼネラルマネジャー(GM)が15日、辞職してチームを去ることになった。同氏は昨年、香港の民主化デモを支持する内容のツイートをして中国とリーグとの間に亀裂を生じさせていた。

 2007-08シーズンからロケッツの球団運営を主導していたモリー氏は、米フロリダ州オーランド(Orlando)の隔離環境下で行われていた今季のプレーオフでチームがウエスタンカンファレンス準々決勝で敗退した後に自ら退団することを決断し、「オーランドから戻ってヒューストン・ロケッツでの素晴らしい14年間を振り返り、家族や親しい友人に自分の考えを相談した後、ロケッツを去ることに決めた」と述べた。

 1年前に投稿した香港のデモに関するツイートによって、NBAが中国のスポンサーを失ったり、同国内でのテレビ放送が約1年間取りやめになったりする事態に陥ったことで、モリー氏の最後のシーズンは厳しい目が向けられた。中国でNBAの中継が再開されたのは、今季のファイナル第5戦が行われた今月9日のことだった。

 2017-18シーズンの最優秀エグゼクティブ賞に輝いたモリー氏について、NBAのアダム・シルバー(Adam Silver)コミッショナーとロケッツのティルマン・ファティータ(Tilman Fertitta)オーナーは、中国側が同氏の解任を求めたり、この問題でNBAの経済損失は約4億ドル(約421億円)にも上ると見積もられたりしていた中でも、擁護する姿勢を示していた。

「ティルマンと私は戻ってきてから何度も話し合った。一緒に過ごしてきた間、彼の揺るぎない支援と助言は、チームの成功にとって重要なものだった」と語ったモリー氏は、ロケッツが今季のプレーオフで敗退した後、ファティータ氏に辞任を申し出て契約終了となった。

 2019年3月にロケッツと5年間の契約延長を結んでいたモリー氏は、次期ヘッドコーチ(HC)を決めるべく10月いっぱいはチームにとどまることになっている。(c)AFP