【10月15日 AFP】イエメンで、イランの支援を受ける反政府武装勢力フーシ派(Huthi)に拘束されていた米国人2人が14日、解放された。同時に、隣国オマーンで足止めされていたフーシ派の支持者240人のイエメン帰国が認められたことから、サウジアラビアとオマーンの仲介で捕虜交換が成立したものとみられる。

 米ホワイトハウス(White House)は、人道支援活動家のサンドラ・ロリ(Sandra Loli)さんと実業家のミカエル・ギダダ(Mikael Gidada)さんがフーシ派から解放され、もう一人の米国人ビラル・ファティーン(Bilal Fateen)さんの遺体も返還されたと発表した。

 マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官はファティーンさんについて、拘束下で死亡したと述べたが、詳細は明らかにしなかった。

 ロバート・オブライエン(Robert O'Brien)米大統領補佐官(国家安全保障担当)は、捕虜交換があったと明言はしなかったものの、サウジアラビアのサルマン国王(King Salman)とオマーンのハイサム国王(Sultan Haitham)が「米国民の確実な解放に尽力した」として謝意を示した。

 11月3日の米大統領選を前に世論調査で支持率が伸び悩むドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領はこのところ、米国人の人質解放と拉致犯の処罰に力を入れる姿勢をアピールしている。

 一方、フーシ派の報道官は、オマーンで「負傷し立ち往生していた約240人の同胞が、オマーン機2機で(イエメンの)首都サヌアに到着した」と発表した。フーシ派によると、これらの人々は2年前、国連(UN)主導の和平協議の下で治療を受けるためオマーンに渡航したきり帰国できずにいたという。フーシ派は先に、サウジアラビア主導の連合軍が帰国を阻んでいると非難していた。

 映像はイエメン・サヌアに到着したフーシ派の人々。13日撮影、14日提供。(c)AFP/Shaun Tandon with Mohammad Ali Harissi in Dubai