【10月15日 AFP】日本人ドライバーの角田裕毅(Yuki Tsunoda)が来月4日、フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦しているアルファタウリ(AlphaTauri)のマシンでテスト走行を行うことが分かった。角田は来季、同チームでシートを獲得する可能性もあるという。

 アルファタウリにエンジンを供給するホンダ(Honda)のジュニアプログラムからサポートを受けている20歳の角田は、今回のテストで300キロの走行を目標に置いている。この条件をクリアすれば、同選手は金曜日に行われるGPの練習走行への参加が可能になる。

 F1第13戦エミリアロマーニャGP(Emilia-Romagna Grand Prix 2020)が行われる伊イモーラ(Imola)で、同GP決勝の3日後に2018年型のマシンを運転する角田は、14日に行われたシートフィッティングで「最優先事項は300キロ走ること」とコメントした。

「走る距離を伸ばせば伸ばすほどマシンのことを理解できるから、クラッシュやコースオフはしたくない。だから落ち着いて臨む」

「けれど、それができるという自信もあるし、いつも通り運転する。F1マシンを駆る初めての日を楽しみつつ、自分の仕事に専念する。マシンに座り、ピットレーンの出口でグリーンライトを待っているときは、かなり興奮していると思う」

 F1で走るために必要な「スーパーライセンス」を角田が取得するには、現在参戦しているフォーミュラ2(F2、FIA F2選手権)のドライバーズ選手権で4位以内に入らなければならない。角田は初参戦となった今季、ここまで2勝をマークしてポールポジションを3度獲得するなど、残り2戦で総合3位につけている。

 7度の年間優勝を誇るミハエル・シューマッハ(Michael Schumacher)氏の息子で、F2の総合首位に立つミック(Mick Schumacher)には、アルファロメオ(Alfa Romeo Racing)が来年のドライバーとして関心を寄せている。

 アルファタウリは12月、仮に角田がスーパーライセンスを獲得すれば、最終戦アブダビGP(Abu Dhabi Grand Prix 2020)の終了後に行われる若手ドライバーテストで同選手の起用を検討している。

 アルファタウリが角田と契約することになれば、ダニール・クビアト(Daniil Kvyat)がシートを喪失するとみられる。

 2014年を最後に小林可夢偉(Kamui Kobayashi)がケータハム(Caterham F1 Team)を離脱して以来、F1に出場した日本人ドライバーはいない。(c)AFP