【10月13日 AFP】ロシア政府は12日、アゼルバイジャンとアルメニアに対し、係争地ナゴルノカラバフ(Nagorno-Karabakh)をめぐる停戦合意を直ちに順守するよう求めた。両国の間では同日、激しい戦闘が起きており、停戦合意には暗雲が立ち込めている。

 アゼルバイジャンとアルメニアは10日、モスクワでの協議で、人道的停戦で合意したが、その後も現地では衝突が相次ぎ、合意は形骸化。両国は12日、互いの違反行為を非難した。

 ロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相はモスクワでアルメニアのゾフラブ・ムナツァカニャン(Zohrab Mnatsakanyan)外相と会談後、「われわれは、採択された決定が両国により順守されることを求めている」と述べた。

 前線にほど近いアゼルバイジャンの町バルダ(Barda)のAFP特派員によると、現地では12日午前に砲撃音が鳴り響き、午後にはさらに激しさを増した。

 砲撃を逃れた多数の住民が身を寄せているアゼルバイジャンの村オトゥジキレル(Otuzikiler)で取材に応じた女性(42)は、2週間前に自宅にロケット弾が撃ち込まれて以降、幼い子どもたち3人が夜眠れずに「起きては泣く。死んだ人たちが出てくる悪夢を見る」と語った。

 ナゴルノカラバフの主要都市ステパナケルト(Stepanakert)のAFP写真記者は、ハドルト(Hadrut)の方向から砲撃音が聞こえてきたと話している。(c)AFP/Aris MESSINIS with Dmitry ZAKS in Barda