【9月7日 AFP】全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2020)は6日、女子シングルス4回戦が行われ、大会第4シードの大坂なおみ(Naomi Osaka)は6-3、6-4で第14シードのアネット・コンタベイト(Anett Kontaveit、エストニア)を下し、準々決勝進出を決めた。

 1時間12分でコンタベイトを押し切った2018年大会覇者の大坂は、要所で気持ちをコントロールできたことが試合を支配する上でカギになったと話し、「私にとってはそれが非常に重要。特に何度もチャンスがあったのにと思ってしまう場面で、自分を責めるのはとても簡単だから」と説明。

 前のラウンドではいら立ちを抑えきれず、ラケットを投げる場面もあったが、「彼女は素晴らしい選手だし、しかるべくサーブをキープしているんだと自分に言い聞かせた。そうやって鼓舞し続けた」と続けた。

 また先に行われた試合で、ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)の打ったボールが誤って線審を直撃し、同選手が失格になった出来事については、生で見ていなかったと明かした。

 大坂は夜の自分の試合に備え寝ていたというが、今回の一件によってコート上では冷静さを保つべきだということを再確認したとし、「ああいうことは絶対にやってはいけないという警告には間違いなくなった」と話した。

 コンタベイトの必死の抵抗を受け、5本のマッチポイントをしのがれながらも8強入りを決めた大坂は次戦、同日の試合で第6シードのペトラ・クビトバ(Petra Kvitova、チェコ)を相手に番狂わせを演じたシェルビー・ロジャース(Shelby Rogers、米国)と顔を合わせる。

 その他の試合では、第28シードのジェニファー・ブレイディ(Jennifer Brady、米国)が四大大会(グランドスラム)3勝を誇る第17シードのアンゲリク・ケルバー(Angelique Kerber、ドイツ)を撃破。第8シードのペトラ・マルティッチ(Petra Martic、クロアチア)は第23シードのユリア・プチンツェワ(Yulia Putintseva、カザフスタン)に苦杯をなめた。

 日本とハイチにルーツを持つ大坂は、人種差別や警察の暴力の犠牲になった人に敬意を表すため、今大会では毎回異なるマスクを着用しており、この日の試合ではトレイボン・マーティン(Trayvon Martin)さんの名前が入ったマスクをつけてコートに上がった。

 黒人少年のマーティンさんは米フロリダで2012年、武器を所持していなかったにもかかわらず、近所に住んでいた白人の自警団によって射殺された。(c)AFP