ジャーナリスト39人とENGINE編集部員6名、計45人が、雑誌が創刊した2000年からの20年間で「一度は手に入れたい」クルマ20台を選び順位をつけた。選んだ20台についてと、「20年間のクルマをどう見てきて、この1台はどういう基準で選んだのか?」というテーマに答えてもらった。
この20年、いろいろな新車に触れる機会があり、なかには気に入って購入したクルマもある。マイホット20のベスト5は実際に自分で購入したクルマで、なかでも2003年デビューのゴルフ5は、ゴルフ トゥーランを含め4台、ゴルフ7は2台所有するほど良くできたクルマだった。他も一緒に暮らしたいと思うクルマばかりで、身近なところで素敵なクルマにたくさん出逢えた20年だった。
小型車の世界基準であるゴルフが、デザイン、走り、安全性などすべての部分でさらに高いレベルに進化したのがこの世代。ダウンサイジングターボやデュアルクラッチギヤボックスなど注目すべき技術は、この世代でブレイクした。
フォルクスワーゲンの横置きエンジン車用モジュールコンセプト「MQB」を世に広めたのが7代目ゴルフ。高性能・高効率のパワートレインや操縦安定性に優れたシャシー、高い安全性能など、新時代の世界基準を打ち立てた。
ミドシップ・スポーツとして2代目に進化したボクスター。この時代からケイマンが追加されたが、軽快なハンドリングとオープンエアモータリングをリーズナブルなプライスで楽しめるボクスターは、もう一度買いたいクルマ。
アウディの新たなエントリーモデルとして生まれたA1。小さいボディ・サイズを忘れさせるクオリティの高さは、プレミアムコンパクトの手本。
完成度の高い独自の「THS」という技術で、ハイブリッド車という新しいジャンルをいきなりメジャーにした、まさに歴史に名を刻む一台。
ルポのなかでも、1.6Lエンジンと6段マニュアルで俊敏な走りを実現したルポGTIは、楽しさ満載のホットハッチ。いま運転しても楽しい。
エレガントさが際立つ2代目A6アバントから生まれたクロスオーバー。力強いデザインとクワトロにふさわしい走破性がとても魅力的だった。
電気自動車や充電ネットワークを普及させるきっかけになったのは、間違いなくこのリーフ。電気自動車のハードルを下げた立役者。
クーペスタイルのSUVが新鮮に見えたイヴォーク。その派生モデルのコンバーチブルは、SUVの新しい楽しみ方を教えてくれた。
SUVスタイルによりこれまでの電気自動車とは異なる新たなライフスタイルを予感させてくれるジャガーの意欲作。刺激的な走りも魅力的。
人気の初代TTを、よりモダンにスタイリッシュに進化させた2代目TT。アウディスペースフレームによる走りの進化も見逃せない。
バッテリーが空になったら大変、という不安を、レンジエクステンダーにより解消した安心の電気自動車。秀逸なデザインも魅力。
シトロエンのフラッグシップサルーンにふさわしい美しく存在感のあるデザインが際立つC6。ハイドラクティブの上質な走りもTrès bien。
ボルボ復活の引き金となったコンパクトカー。その魅力はなんといってもスタイリッシュなデザイン。走りの良さや高い安全性もうれしい。
伝統ある名前が見事に復活! 手軽にオープンエアモータリングが楽しめる500Cがほしい。
実用性重視の設計ながら、フランス車らしい楽しい雰囲気を周囲に拡散させる才能の持ち主。
派手さはないけれど、シンプルなデザインと使いやすいサイズで、小型車の本質に迫る名作。
小型車は、やはり愛らしいデザインのモデルを選びたい。そんな希望を叶えるキュートな一台。
走りもデザインも妥協しない、欲張りなミドシップのオープン2シーター。
206とともにリトラクタブルハードトップのCCが、オープンエアモータリングを身近に。
文=生方聡(モータージャーナリスト)
(ENGINE2020年9・10月合併号)
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