【8月8日 AFP】米国家防諜(ぼうちょう)安全保障センター(NCSC)のウィリアム・エバニナ(William Evanina)長官は7日、中国が11月の米大統領選でドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の再選を望んでおらず、選挙介入の工作を進めているとの見解を示した。また、中国がトランプ氏を「予測し難い」人物だとみているとの考えも示した。

 エバニナ氏は「われわれは中国がトランプ大統領の再選を望んでいないとみている」「自国の利益に反するとみている政治家らに圧力をかけるため、中国は米大統領選に向けて影響力を拡大している」と指摘。

 また、ヒューストン(Houston)にある中国総領事館の閉鎖や香港・南シナ海(South China Sea)に対する米国の姿勢に中国が批判的なことを挙げつつ、「選挙への介入が大統領選(の勝敗)に影響するかもしれないと中国政府は考えている」と説明した。

 エバニナ氏はさらに、イランがソーシャルメディアを利用してトランプ氏に不利な偽情報を拡散し、ロシアもジョー・バイデン(Joe Biden)米前副大統領を誹謗(ひぼう)中傷するためにさまざまな手段を用いているとも指摘したが、詳細は明らかにしなかった。

 米情報当局は、2016年の米大統領選でロシアがハッキングとソーシャルメディアによる活動を行ったことが、トランプ氏勝利に寄与したとみている。(c)AFP