【8月8日 AFP】中国は、同国の船舶に対して9月から11月の間、南米エクアドル領のガラパゴス海洋保護区(Galapagos Marine Reserve)で漁を行うことを禁じた。中国外務省の当局者が6日、明らかにした。エクアドル政府は先月、同保護区周辺の大規模な漁船団をめぐり、懸念を表明していた。

 中国は、広さ約13万3000平方キロメートルの同保護区西方の公海上で3か月間、漁を禁止すると決定。中国外務省の汪文斌(Wang Wenbin)報道官はこの動きについて、「エクアドルとその他の関係国に感謝された」としている。

 エクアドル西方の沖合約1000キロメートルに位置するガラパゴス諸島の生態系は脆弱(ぜいじゃく)で、1979年に国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産(World Heritage)に登録された。

 同諸島はユニークな植物相および動物相で知られ、英国の自然科学者チャールズ・ダーウィン(Charles Darwin)がその著書「種の起源(The Origin of Species)」を記すきっかけになった場所でもあり、固有種のカメやイグアナ、鳥類などが生息する。

 エクアドルは先月下旬、主に中国の漁船約260隻が同保護区周辺に現れたことに懸念を示し、保護区に近づかないよう要求していた。

 汪報道官は6日、中国は「海洋環境と海洋資源の保護に重きを置いている」と述べ、遠洋漁業に従事している企業に対し、法と規制を順守するよう引き続き求めていくと述べた。

 2007年には、主にサメなどの野生生物約300トンを積載した中国の船舶が、同保護区内で摘発されている。(c)AFP