【8月7日 AFP】自転車ロードレースに参戦するチーム・ユンボ・ビスマ(Team Jumbo Visma)のディラン・フルーネヴェーヘン(Dylan Groenewegen、オランダ)は6日、前日に行われたツール・ド・ポローニュ(Tour de Pologne 2020)の開幕ステージにおいて事故を引き起こし、ドゥクーニンク・クイックステップ(Deceuninck Quick Step)に所属する同胞のファビオ・ヤコブセン(Fabio Jakobsen)が落車して昏睡(こんすい)状態となっていることについて謝罪した。

 フルーネヴェーヘンはクラッシュの翌日、「昨日の出来事は恐ろしいものだ。ファビオをはじめ、転倒したり影響を受けたりした他の選手に対し、謝罪の気持ちを表現する言葉が見つからない」「彼(ヤコブセン)のことをずっと考えている」とツイッター(Twitter)に投稿した。

 クイックステップのチーム医師によれば、ヤコブセンは「重体」であるものの容体は「安定」しているという。同選手は頭部に5時間にわたる手術を受けた。

 ヤコブセンが治療を受けているポーランド南部ソスノビエツ(Sosnowiec)の病院の副院長は、地元メディアに対して、「スキャンを実施したところ、脳への影響はないと思われる」「主なけがは顔面部だ。幸いにも目に影響はない。重体だが安定している」と明らかにした。

 副院長は医療スタッフが同日にヤコブセンを昏睡状態から目覚めさせる処置に入ったことも公表したが、病院の広報担当者はその後、このプロセスは「段階的」に行われ、完了するのは7日になると説明した。

 ポーランド南部のカトウィツェ(Katowice)で行われた開幕ステージでは、23歳のヤコブセンが混戦となった最後のスプリントでフルーネヴェーヘンと肘がぶつかる距離でデッドヒートを繰り広げる中、時速80キロでバリアーに激突した。

 ヤコブセンはフルーネヴェーヘンが右に急に進路を変えたために防護壁に押し付けられる形となり、宙で一回転してフェンスを乗り越えてレース関係者と衝突した。このステージはフルーネヴェーヘンが制したものの、その後失格となり、ヤコブセンが勝者として発表された。

 レースディレクターのチェスワフ・ラング(Czeslaw Lang)氏はコメント文で、医師らと話して「いくらか安心した」とすると、「あの事故を目撃したときは最悪の事態を覚悟したが、今は深刻な状況ながら容体が安定していると確認した」と述べた。

 ラング氏によると、この事故で負傷したレース関係者は、「意識を取り戻して、現在は容体が安定している」という。

 一方、事故に巻き込まれたコフィディス(Cofidis, Solutions Credits)のダミアン・トゥゼ(Damien Touze、フランス)、グルパマ・FDJ(Groupama-FDJ)のマルク・サロー(Marc Sarreau、フランス)、モビスター・チーム(Movistar Team)のエドゥアルド・プラデス(Eduard Prades、スペイン)は現在も入院している。(c)AFP/Dario THUBURN