大気突入は「猛獣の体内にいる気分」、帰還した2飛行士が会見
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【8月5日 AFP】宇宙開発企業スペースX(SpaceX)の有人宇宙船クルードラゴン(Crew Dragon)で国際宇宙ステーション(ISS)に行き、2日に地球に帰還した米航空宇宙局(NASA)のロバート・ベンケン(Robert Behnken、50)、ダグラス・ハーリー(Douglas Hurley、53)両飛行士が4日、米テキサス州ヒューストン(Houston)でビデオ会見した。
ISSで2か月の任務を終えた両飛行士は、慣例に従い地球帰還の2日後に記者会見した。
両飛行士は、時速約2万8000キロの猛スピードで大気圏に突入した時は猛獣の体内にいる気分だったと語った。船長を務めたベンケン氏は、「大気が音をたて始めた」「機械のような音ではなく、息をしながら大気圏を突き抜ける動物のような音だ。ロケットエンジンと大気の雑音がそのように聞こえる」と説明し、宇宙船は生命を取り戻したようだったと述べた。
ベンケン、ハーリー両飛行士は実生活でも親友同士で、2人とも宇宙飛行士の妻を持つ。
ハーリー氏は、「ミッションは始めから終わりまでシミュレーター通りに進んだ。驚いたことは一度もなかった」とコメントした。
2人を乗せたクルードラゴン「エンデバー(Endeavour)号」は、時速24キロでメキシコ湾(Gulf of Mexico)に着水した。ハーリー氏は、着水時「相当強い衝撃を受けた」と述べたが、それも予期されたことだった。
宇宙から帰還する米国の宇宙船が着水したのは1975年以来。クルードラゴンの試験飛行はスペースシャトル(Space Shuttle)時代の後としては初めて米有人宇宙船を地球の軌道に乗せることに成功した。これを受けてクルードラゴンの正式運用が始まるとみられる。
次回のミッションは9月に予定されている。2021年春にはベンケン氏の妻、メーガン・マッカーサー(Megan McArthur)氏がクルードラゴンのミッションに参加する予定になっている。(c)AFP