【8月5日 AFP】仏フィギュアスケート界の性的虐待スキャンダルについて、同国の女性権利・都市・青少年・スポーツ省は4日、捜査の結果、コーチ21人が不適切な行為に手を染めていた証拠が見つかったと発表した。

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 この件では1月、元フィギュアスケート選手のサラ・アビトボル(Sarah Abitbol)さんが、1990年から1992年にかけて元コーチのジル・ベイヤー(Gilles Beyer)氏に複数回レイプされたと著書の中で告発し、他選手も続いて声を上げたことで、当局が捜査を開始した。

 その結果、半分以上の12人が「セクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)か性的暴行」をしたとされており、そのうち3人には前科があった。残りの9人のうち、7人には「肉体的、もしくは言葉での暴力」の疑いがあり、他の2人はすでに死亡している。スポーツ省は、本件を検察当局に報告中だとしている。

 レイプの疑いがあるベイヤー氏は、パリ検察の捜査対象にもなっている。

 スポーツ省は「判明した事件の規模の大きさから、アイススポーツ連盟(FFSG)の中核部門であるフィギュアスケート、アイスダンスのコーチたちが、長年にわたってそうした行為を習慣的に繰り返していたとみられる」と発表した。

 この件では、20年以上にわたって連盟のトップを務めたディディエ・ガイアゲ(Didier Gailhaguet)会長が2月に辞任を強いられた。

 捜査当局は、FFSGの運営にも問題があったと指摘し、「わずか数人のマネジャーに権力が極端に集中していた」せいで、「コーチたちの疑惑に触れてはならないというある種のおきてが生まれ、懲罰手続きはおろか、簡単な調査も行われなかった」と述べた。(c)AFP