【8月3日 AFP】2日に行われた20F1第4戦英国GP(British Grand Prix 2020)決勝では、開始前に全選手がスタートラインに整列し、前回よりもまとまって人種差別に抗議する姿勢を示した。

 2週間前のハンガリーGP(Hungarian Grand Prix 2020)では慌ただしく済まされたレース前の抗議だが、今回は国歌演奏の前に選手全員がまとまってグリッドの方へ向き直り、7人は立ったままだったが残りは膝をついた。

 立っていたのはハース(Haas)のケビン・マグヌッセン(Kevin Magnussen)、アルファロメオ(Alfa Romeo Racing)のアントニオ・ジョビナッツィ(Antonio Giovinazzi)とキミ・ライコネン(Kimi Raikkonen)、マクラーレン(McLaren)のカルロス・サインツ・ジュニア(Carlos Sainz Jr.)、フェラーリ(Ferrari)のシャルル・ルクレール(Charles Leclerc)、アルファタウリ(AlphaTauri)のダニール・クビアト(Daniil Kvyat)、レッドブル(Red Bull)のマックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)だった。

 メルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)は「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」Tシャツを身につけ、他の選手も「人種差別を終わらせよう」と書いたTシャツをまとった。抗議の前には、人種差別に反対する活動を全ドライバーが支持していることを示す映像も流れた。

 ハンガリーGP後、ハミルトンはF1のリーダーシップの欠如や、世界中で行われている反人種差別の活動を一体となって支持できていない点を批判しており、これを受けて今大会前には数日にわたる話し合いが行われていた。

 優勝後の表彰式で、拳を突き上げたハミルトンは、レース前の抗議で選手たちの連帯感が大きく増したことを喜んだ。

「上層部とじっくり話し合い、最終的にはみんなに参加してもらうことができた」「ここまでのやり方は十分ではなく、もっとしっかりと計画や準備がされて、プロフェッショナルに見せる必要があったということは全員の総意だった」 (c)AFP