【7月31日 AFP】米プロバスケットボール(NBA)の副コミッショナーを務めるマーク・テイタム(Mark Tatum)氏は、中国に設置されたNBAのアカデミーで選手たちが身体的な虐待にさらされていたとの報道に「憂慮している」とする一方で、リーグが派遣したコーチが不正行為に関与したとの訴えは何もないと強調している。

 テイタム氏は、中国におけるNBAのプログラムを再評価していることに加え、リーグの役割として中国が運営する各地のアカデミーに派遣できる指導者の人数は3人に限られていたと明かした。

 米スポーツ専門チャンネルESPNは今週、中国西部の新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)、山東(Shandong)省、浙江(Zhejiang)省に開校したNBAのアカデミーにおける身体的虐待の詳細や、教育機会の欠如について報道した。

 抑留キャンプに100万人が拘束されているとして中国が非難されている新疆ウイグル自治区のアカデミーに関して、NBAは昨年に提携を終了している。

 テイタム氏はAFPへのコメント文で、「ESPNで伝えられた疑惑を憂慮している」とすると、「新疆ウイグル自治区のアカデミーに関しては、2019年6月に関係を終わらせた。そして、中国におけるNBAのアカデミープログラムについては、再評価を行っている」と明かした。

 同氏はまた、NBAが「2016年にエリート選手育成のためのイニシアチブを立ち上げ、中国の3か所に現存する地元スポーツ当局運営のバスケットボール育成センターを支援している」と説明すると、「われわれの役割は、各アカデミーにコーチ3人を派遣することに制限されており、そのうち何らかの不正行為に関与した疑いのある人物は誰もいない」と述べた。(c)AFP