【7月30日 AFP】米大リーグ機構(MLB)は29日、ヒューストン・アストロズ(Houston Astros)戦で危険球を投じるなどしたとして、ロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)のジョー・ケリー(Joe Kelly)投手に8試合の出場停止処分を科した。

 2017年のサイン盗みスキャンダルでアストロズが処分されて以降、初めての顔合わせとなった28日の試合はドジャースが5-2で勝利。ケリーはこの試合で両チームの選手がベンチから飛び出しにらみ合うきっかけをつくった。

 MLBはケリーが6回にアレックス・ブレグマン(Alex Bregman)のヘルメット付近を狙って投球し、その後カルロス・コレア(Carlos Correa)を三振に打ち取った後に挑発したとしている。

 ケリーとコレアの言い合いをきっかけに、両チームの選手はベンチからミニッツメイドパーク(Minute Maid Park)のフィールドに飛び出し一触即発の状態となった。

 ケリーは処分を不服として異議申し立てをしているため、29日に行われるアストロズとの2戦目にも登板することができる。

 また、この件をめぐりドジャースのデーブ・ロバーツ(Dave Roberts)監督には1試合の出場停止処分が科され、ケリーをののしる声をマイクで拾われたアストロズのダスティ・ベイカー(Dusty Baker)監督は罰金処分を受けた。

 2017年のワールドシリーズでアストロズは、4勝3敗でドジャースを下しタイトルを獲得。しかしその後、アストロズは外野の隠しカメラを使って相手投手のサインを盗む仕組みを利用していたことが判明した。

 ロバーツ監督は29日、相手と衝突することによる新型コロナウイルス感染のリスクを強調し、選手には再びベンチを飛び出さないよう警告すると報道陣に話した。

「ベンチから飛び出すことについて簡潔に選手に話すつもりだ。MLBはこの行為を深刻に捉えており、もちろん選手もそうするべきだ。選手には何が何でもベンチにとどまるよう繰り返し伝えていかなければならない」

 一方で、処分を受け入れているロバーツ監督は、アストロズの不正スキャンダルに対し選手の中にくすぶっているフラストレーションには理解を示した。

「これはスキャンダルが発覚してから7か月にわたって蓄積されてきたものだ」「一種のガス抜きのようなものだ。残念なことではあったが、吹っ切れるためにはそれをはねのけたのは良いことだし、前に進んで野球をプレーしたい」 (c)AFP