【7月25日 AFP】ギリシャで難民教育を担当していた責任者が24日、同国出身のプロバスケットボール選手ヤニス・アデトクンポ(Giannis Antetokounmpo)に対して人種差別的なコメントをしたとして解任された。

 現在は米プロバスケットボール(NBA)のミルウォーキー・バックス(Milwaukee Bucks)でプレーし、昨季のレギュラーシーズン最優秀選手賞(MVP)に選出されたアデトクンポは、両親がナイジェリア移民としてギリシャに移住した。

 ギリシャの首都アテネ北部に位置するマラカサ(Malakassa)のキャンプで難民教育のコーディネーターを務めていた問題の人物は、アデトクンポが同国の人種差別を批判した後、ツイッター(Twitter)で同選手を「モンキー」と呼んだ。

 投稿は削除されたものの、ギリシャの教育相は問題を看過せず、「人種差別主義者とこの教育者の攻撃的なメッセージを、われわれは断固として非難する。このような行為は、わが国の教育システムでは許容されない」とツイートした。

 米スポーツ情報サイト、ブリーチャー・レポート(Bleacher Report)のドキュメンタリーで、アデトクンポは「ギリシャは白人の国で、自分の肌の色をした人間の生活は厳しいものだ。違う地域に入って、たくさんの人種差別に遭うこともある」と話していた。

 ギリシャでは2015年から移民の子どもたちに市民権の申請を認めているものの、最近の報告ではその手続きが複雑で停滞しているといい、非政府組織(NGO)は「(市民権の手続きは)通常半年から1年を要するとされているが、最終決定までに最大4年間も待たされるケースがある」と指摘している。(c)AFP