【7月25日 AFP】ロシアは24日、宇宙空間で衛星攻撃兵器の実験を行ったとして米国と英国がロシアを非難したのは、米英の「プロパガンダ」だと一蹴した。

 米宇宙軍(Space Command)は23日、ロシアが宇宙空間で対衛星兵器の実験を行ったと非難し、米国などの衛星などに対する脅威が「現実かつ深刻で、増大している」と警告。米宇宙軍はこの実験に関し、ロシアの衛星「コスモス2543(Cosmos 2543)」が地球の周回軌道上で物体を発射したと説明している。

 また、英国防省宇宙局のトップ、ハーベイ・スミス(Harvey Smyth)空軍少将もツイッター(Twitter)で、「こうした行為は宇宙の平和的利用を脅かす」と指摘。

 これを受けロシア外務省は声明を発表。同国政府は平和目的での宇宙の非差別的な利用と研究に関する義務を履行していると主張し、「米英の同盟国には、プロ意識を示し、プロパガンダ的な情報攻撃ではなく協議の席に着くよう求める」と表明。さらに、ロシア国防省が今月15日に行った実験は「他の宇宙機器に脅威をもたらしておらず、何よりも国際法の規範や原則に違反していない」と主張した。

 一方で、米国と英国が対衛星兵器を開発しているとして非難し、「自分たちの取り組みについて当然のことのように沈黙を続けている」と指摘。米英両国には「『検査衛星』や『修理衛星』を対衛星兵器として使用する可能性のある計画」があると批判した。

 ロシア国防省は、この検査衛星が「ロシア衛星の状態を監視」するためのものだと指摘。だが政府機関紙のロシア新聞(Rossiiskaya Gazeta)は、「他の衛星から情報を得る」ことも可能だと報じている。(c)AFP