【7月21日 AFP】韓国政府は21日、同国初となる軍事通信衛星「アナシス2号(ANASIS-II)」が米宇宙開発企業スペースX(SpaceX)により打ち上げられたと発表した。北朝鮮に対する防衛能力向上を目的とした同衛星により、韓国は防衛力の強化を目指す。

 韓国防衛事業庁(DAPA)によると、アナシス2号を搭載したスペースXのロケット「ファルコン9(Falcon 9)」は米フロリダ州のケープカナベラル空軍基地(Cape Canaveral Air Force Station)から発射され、打ち上げから約32分後の現地時間20日午後、スペースXによって衛星の分離が確認された。

 今回の打ち上げにより韓国は世界で10番目に軍事専用の通信衛星を所有する国となり、アナシス2号は「恒久的で確かな軍事通信」を提供していくという。

 また、衛星は2週間後に3万6000キロ上空の静止軌道に到達する見通しで、試験を終えた10月に韓国軍が衛星のシステムを引き継ぐ予定。

 韓国政府は自国の軍事力の強化を進めると同時に、有事の際には米軍司令官が米韓連合軍の指揮権を握るとされている協定の解消を目指している。

 韓国と米国は同盟国であり、米国は兵士2万8500人を韓国に駐留させているが、北朝鮮への対応の違いや防衛費分担をめぐって近年両国は緊張関係にある。(c)AFP