【7月5日 AFP】イタリア内務省の関係者は4日、地中海で救助された移民180人に新型コロナウイルスの検査を実施しており、週明けに南部シチリア(Sicily)島に現在停泊する隔離船へ移送する方針を明らかにした。

 移民らは仏NGO「SOSメディテラネ(SOS Mediterranee)」の救助船「オーシャン・バイキング(Ocean Viking)」に1週間以上とどまっており、船上でけんかや自殺未遂が相次いだことから、同NGOは3日に緊急事態を宣言した。

 伊内務省の関係者によると、シチリア島ポッツァッロ(Pozzallo)当局が派遣した医療チームは、「船内でこれといった健康問題がないことを確認し、船上で発生した緊張の一部も解消されつつあると報告した」という。

 この医療チームは移民らに新型コロナ検査を実施しており、その後はシチリア島のポルトエンペードクレ(Porto Empedocle)に現在停泊中の船「モービーザザ(Moby Zaza)」に移民を移して隔離する予定となっている。

 この関係者は「移民のモービーザザ船への移動は6日の月曜日を予定しており、これを考慮した上で状況を注視している」と語った。

 移民救助船「オーシャン・バイキング」はシチリア島南方の地中海上で1週間以上足止めされており、安全な港で移民たちを上陸させられるよう、イタリアかマルタから上陸許可が出るのを待っている。

 乗船しているAFP記者によると、移民らは陸にたどり着こうと日に日に必死になっており、この1週間で緊張が高まっているという。(c)AFP